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2012年04月27日

映画「わが母の記」

井上靖原作、映画「わが母の記」を見て。
樹木希林 役所広司 宮崎あおいの三人だもの当然・・・なんて評は良くないかな。
NHK大河の宮崎さんの演技は印象深く、今回も同様の感想です(26歳だよ!)。

井上靖は、敦煌や楼蘭・天平の甍などの歴史小説の印象が強かったけれど、
ウィキペディアで調べたら、自伝的な作品も多く残しているのですね、知りませんでした。
映画の中で娘達が「また、小説に書かれる」なんていっていたのに納得した次第です。

映画「わが母の記」



映画全体の感想は、井上靖の小説に見られる詩的な感覚が、とてもセンス良く出ていたと思います。
ストリーも、痴呆の母親を含め、どこの家庭にもある平穏な生活の中に、少しの波が立ち、
それを主人公である家長(かちょう)が、しっかり受け止めながら成長してゆく姿が、
とてもよく見てとれました(・・見習わねば)。時代設定が昭和30年から40年代と、
家長の重みが今とは違う時代だから当然といえば当然かもしれませんが、
男性の弱さの方が目立つ今の時代から思うと、かっこよく思えて仕方ありませんでした。

前半で主人公が、「自分の中の父を見つける」と語っていた。
意図して出していると思えないのですが、娘の中にも父が入るものなのか、
なんて娘さん役の宮崎さんを見て思いました。(宮崎はうまいなー)

原作タイトルの最後に「雪の面」とあるのは、遠くから見ると無垢で真っ白に見える雪も
近くで見ると、思いのほか凹凸に富んでいる。家族も同じである、との意味であろうか。
そんなことを考えながら、エンドロール最後までこの映画を堪能してしまいました。


(ずいぶんのご無沙汰申し訳ありません。が、こんなペースでやってまいります)


タグ :映画


  • Posted by 千代吉 at 17:35│Comments(0)映画
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